近ごろの映画、映画祭って・・・
映画が採算のとれる産業の座から滑り落ちてどのくらい経つか?
いまや文化としてしか、その存在価値を見い出すしかないかと
そう思わせるほどの凋落現象を見せているように思われる。
映画の撮影にフィルムを使用せず
デジタルの、それもスチールカメラを駆使して映画を撮る。
そんな映画監督が出てきたと聞いたときの驚きは隠せない。
映画よ、そこまで来たか!?
フィルムで撮影する映画の流れで、16mmフィルムを使い
新鮮な映像を創り出した映画監督は存在した。
デシタルのスチールカメラを使う映画監督も、
そうした流れの一端を担っているのだと推測していた。
しかし、過日。
偶々、東京国際映画祭が開催されている六本木ヒルズを訪れ
その知識の浅はかさに愕然とさせられた。
これは半端なシステムではない。
フィルムで記録する時代は終焉?
この撮影システムを見たのは、先月末。
第27回東京国際映画祭が開かれていた六本木ヒルズだ。
アジア最大の映画祭とはいうものの・・・
カンヌ、ベルリン、ベネツィアなど世界有数の映画祭からは
はるかに水をあけられた印象は否めない。
その事実が会場全体を弛緩させていたのかもしれない。
映画祭への参加作品を掲示したパネルを
熱心に見るひとは少なかった。
振り返れば、この映画祭が最初に開催された当時
映画雑誌は盛んに東京映画祭を報じたものだ。
そうした映画雑誌が次々と休刊に追い込まれ
映画を面白さを世に伝える旗振り役が居なくなった。
六本木ヒルズ内の
映画館に続く階段下に
スタッフが数名居なければ
映画祭が開催中とは気付かない?
若い頃ころのように、熱心な映画の観客ではなくなったが
官公庁の保護の下で生き延びる存在にはならないよう
映画関係者だけでなく
観客たる我々もまた「奮闘」を期待される。
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