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2015年11月20日 (金)

面をとれ

数々の時代小説を上梓しつづける作家氏が
現代 (いま) の大人たちに向けた檄文のような随筆集を読んだ。
その中から、私の心を振るわせた一文に触発され
本日の記事としました。

作家氏は、二人のご子息を持つ父親である。
その次男坊クンが中学一年生の夏休み
自ら進んで、通う中学校の剣道部に入部したという。
入部の理由は単純至極。
顧問のヤマト先生に心酔したが故。
いまどきの中学生が、学校の先生を心底敬って
その教えを請うなぞ、そうは簡単に出会える話ではない。

六尺豊かな偉丈夫であるヤマト先生には
少年雑誌を2冊重ね、
背表紙から引きちぎった伝説が語り継がれている。
実際、身繕いを整えたヤマト先生を目の当たりにして
あの伝説は真実であったと信じるという。

その師、ヤマト先生が少年剣士に教え込むは唯一。
面をとれ
得意な小技で先に一本を取り、
気持ちにゆとりをつくるなら、それはいい。
しかし二本目はかならず面をとれ

師の教えを、少年剣士たちは目を輝かせて聞き
実践しているらしい。
この師あって、この弟子あり。
誠に清々しい話と感銘を受けました。
その教えるところは、一に剣道の極意であり。
継いで、子供らの人生の指針として、厳しくも優しく諭している。

剣道は不案内な私でも想像はつきます。
正眼(青眼)に構えた刃(竹刀)を振り上げ振り下ろす。
その時、胴はガラ空きになり、小手に隙が生じる。
にも関わらず、敢えて強い踏み込みで面をとりに行く。
かの弟子たちが、人生の岐路に立ったとき
臆することなく面をとりにいく。
そんな生き方を選んでくれたら、この先に我が国は安泰か?

振り返って、この秋。
我が国の政権党で党総裁を選ぶ時期が来た。
その時、居並ぶ実力有段者たちは、こぞって道場を去り
選ばれることなく現総裁継続が決りかけた。
そこに単身躍り出たのが女剣士。
正に面を取らんと勇躍するも、結果は皆さんご存知の通り。

この事態を、ヤマト師に師事する少年剣士たちは、どう見たか?
それでも尚、面をとりに行く気概を忘れないと信じたい。

ヤマト先生の教えを前にして
己が生きてきた過去を思い浮かべるにつけ
常に面をとりに行っていたかを反芻してみる。
誠に恥ずかしながら、残された刻だけは
面をとりにいく人生としたいと思った。

そうした少年剣士の輝く瞳に模して
本日の一枚。

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写真は、六本木ヒルズ、けやき並木
イルミネーション2015
SNOW & BLUE

本日の記事の出典
山本一力著 「大人の説教」 文春文庫版

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