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2015年9月22日 (火)

秋の風景  ~赤い花~

忌み嫌われる過去をもつ、この花を皆さんはどうお考えですか?
好き嫌いが真っ向対立する花です。
こんにちでは探すのが難しい光景が、この花を忌避させます。
田圃のあぜ道はまだしも、墓地の廻りに群生している様は
やはり気持ちがよいものではありません。
咲く時期も、秋の彼岸と重なります。
墓参りをして、嘗て葬った人々を思い起こすときです。

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曼珠沙華(マンジュシャゲ/マンジュシャカ)
仏教の経典にあらわれる花で、
サンスクリット語ではmanjusakaと表記されるようです。
そこには、慶事が起きる兆しとして、天から赤い花が降る。
とあるとか・・・
本来めでたい花のはずが、墓地に咲いて忌避されるとは
皮肉な結果といわざるをえません。

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桜のソメイヨシノと同じく、花が咲く時期に葉はなく
花が終わってから葉が出始めるのですが、
その事実が忌避の原因となっているのは
ソメイヨシノと比べると、大いに不当な扱いです。
葉がないが、儚いや、更に直接的な墓無いに通じる。
理不尽ないいがかり、とも言うべき論法です。

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この花を撮影するとき、風景としてでなく
もっぱら接写でしか撮らない私には厄介な被写体です。
接写全般にいえることですが、極端に被写体に接近するので
ピントが合う範囲の奥行きが短い。
撮影経験がある方なら理解していただけることでしょう。
カメラの特性、ひいてはレンズの特性なのですが
被写体にピントが合うのは、レンジから一番近い部分です。
放胆にして、気侭に花弁とシベを振りまく曼珠紗華の魅力を
存分に撮影しようとすると、このレンズ特性に邪魔されます。
かといって、この花の全てに部分にピントが合っても面白くない。
写真は、ピントが合う、合わないが面白い仕組みです。
もっとも、そんな考えに至ったのは最近のことです。
そう考えると、この花は逆に面白い被写体に成り変ります。

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映画やドラマで、演出者がこの花が登場させるとき
単なる風景としてでなく、ある種の「役」を担わせます。
この花の様子から、妖艶とか、ほとばしる情念とか、
あるいは隠微な印象とか・・・
どのように遣っても、前後の繋がりで理解出来るのは
この花に限ったことではありませんが
すでにステレオタイプした用法が色褪せないのは
ひとえに、この花が内包する生命力の為せる業でしょうか?

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とまれ、美しい花を軽薄な理屈で汚すのは
本位ではございません。
出来ますれば、花の写真だけ堪能いただければ幸甚です。

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