飛べない鴨 ~小石川後楽園・異聞~
水戸徳川家の江戸上屋敷跡。
梅で有名な庭園に、なぜこの時期に訪れる?
その辺りは追々語って参りましょう。
入園して、直ぐそこに売店があります。
土産物に並んで 鯉の餌 が売られていました。
この手の庭園では珍しいことかと思います。
庭園には池があり
鯉などの魚、亀などの水生小動物、そして水鳥など
様々な動物が生息しています。
それれらは放たれた生き物や、違法放逐された生き物など
様々な事情で、そこに棲みついたと推測されます。
仮に、計画的に買われている魚でも
入園者が勝手に餌をやる行為は禁じられているのが大半です。
それが小石川後楽園では鯉に限り餌が売られている。
池の周りを歩き始めると、そこここに立て札が立っています。
いわく
鯉の餌を鴨に与えないでください。
鴨が病気になります。
ふ~ん。当然ながら生き物によって餌が違うか!?
ところが、別の場所で見た立て札には
鯉の餌を鴨に与えないでください。
鴨が太り過ぎて飛べなくなります。
これを見て、思わず噴いてしまいました。
丸々と太った鴨が飛ぶのを忘れ、どんな顔をしているか?
しかし、これは笑い事ではありません。
こうした擬似自然でも、街中でも、
考えの無い餌やりが生態系を破壊している事実は黙認できない。
公園などで鳩に餌をやる奇特な人がおりますが
結局は不自然な繁殖を招き、鳩自身にも人間にも
決して好ましい環境がつくられてはいません。
感傷にはしることなく、冷静に自然環境や都市環境を
正しく保全していかねば、共倒れは眼に見えています。
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