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2014年1月 3日 (金)

三日とろろ

先の震災を受けた地域では、古くから
正月三日の朝に、とろろ汁を食べる習慣があるとか。
その朝、とろろを食すと風邪をひかないとか
長生きできるとか、要は無病息災を願う食習慣ですね。

正月七日には、七草粥の習慣がありますが
共に、正月の暴飲暴食で痛めつけられた胃をやすめる
そんな効用があるようです。

そこで今夜は、とろろ汁。
決して暴飲暴食をしたのではありません。
これ調理は単純にして、しかし、夏につくるには過酷。
真冬の今ですら、とろろを擂ると汗ばみます。

「三日とろろ」と聞いて、何かしらの感慨を覚える人は
私より上の年代の方々でしょう。
「父上様母上様 三日とろろ美味しゅうございました」
その言葉で始まる、日本で一番美しいといわれた遺書。
その遺書を残し、27歳で自裁された円谷幸吉さん。

円谷幸吉さんは、1964年の東京五輪のマラソン競技で
銅メダルに輝く活躍をされた。
競技の後、円谷さんは1968年のメキシコ五輪では
マラソンで金メダルを獲ります、と宣言していられる。

その円谷幸吉さんが、メキシコ五輪の開催年の1月。
正月に帰省された折りの家族団欒を思い出しながら、
切々と綴る辞世の文章。
その当時の私には、その深い意味を察し得なかった。
それが、歳を重ねるにつれ心に響く言葉として蘇る。

父母や兄夫妻から振舞われた正月のご馳走を
それぞれの名前を挙げながら感謝する文章に潜む
真摯な心根に、深い感動すら覚えます。

遺書で、幸吉さんは走れない苦しい心中を父母に訴え、
父や母に辛い心労をかけることを詫びながら、
その膝元で過ごしたかったと甘える文章で閉じられる。
なんと美しく、なんと切ない心中か・・・
今にしても心を震わされる言葉であります。

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