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2013年11月 9日 (土)

キャパの十字架  ~プロローグ~

キャパの十字架
沢木耕太郎 著  文藝春秋社 刊

今年2月4日の当ブログで
写真とは誠に都合のよいもので・・・
と題する駄文 (ただ長いだけの駄文) を掲載しました。

ロバート・キャパ
彼は、最も優れた報道写真家としての名声を得た。
きっかけは、
彼が撮影した「崩れ落ちる兵士」が世に出たことによる。

スペイン内戦 (1936年7月~1939年3月) の戦場で、
スペインの共和政体を護ろうとする反ファシズムの
人民戦線兵士が、ファシズムの反乱軍の銃弾に斃れる
死の瞬間を撮影したものだ。
と、アメリカの写真週刊誌「ライフ」で紹介され、
一躍有名になった写真が「崩れ落ちる兵士」である。
同時に、一枚の写真が一人歩きを始めた瞬間でもある。

沢木耕太郎氏は、キャパ関連書の翻訳を通して。
一方でキャパの自伝「ちょっとピンぼけ」を読んで
キャパに対しては親近感を抱いていたという。
しかし、そうした親近感と、「崩れ落ちる兵士」に対して
抱く疑問とは相容れないところがあったようだ。

あの写真は、いつどこで撮られたのか?
撃たれた兵士は誰なのか?
どのような状況で撮影されたか?
劇的な死の瞬間を撮れたのはなぜか?
深まる疑問の数々を、沢木氏は鮮やかに解き明かす。

その意味でキャパの十字架は報道写真の枠を越え
世界的に注目を浴びる業績を上げたといえるのだが・・・
本書の上梓以来、そのような評価に接してはいない。

沢木氏の著書が評価されない根拠に
「崩れ落ちる兵士」は、でっち上げ写真だとする説があり
既にその説が定説化している事情があるようだ。

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