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2009年1月 7日 (水)

七草粥に思う

正月七日には七草粥の風習があります。
正月料理で疲れた胃腸を休めるための粥
といった意味合いがありますが、
本当のところは、酒浸りの日々で荒れた胃腸を
休ませる意味があったのでないでしょうか、ね。

そんな風習が残る七日に先立つ、三日。
スーパーで売られていたのが長芋です。
三日とろろにどうぞ!

三日とろろ、七草粥ほど普及した食べ物ではありませんが、
その名を聴くたびに思い出す人がいます。
円谷幸吉選手
東京五輪のマラソンで三位に輝いた長距離選手です。

我が国のスポーツ界が、武道の延長線上にあった時代。
陸上競技やマラソンの黎明期というより、スポーツそのものが
黎明期だった東京五輪の頃。
日本国民を熱狂させた国立競技場のトラックでの死闘が、
人々の記憶から、まだまだ消え去らない時。
円谷幸吉選手の遺書に真っ先に出てくるのが、
自分を慈しんでくれた父母に宛てた感謝の言葉としての
三日とろろです。

その頃、人生の何たるかや、人の心をおもんぱかるなど、
思いもよらぬ若輩のわたくしには、こうした食べ物ばかりが
連ねられた遺書の真意を汲み取るなど無理でした。

しかし、齢を重ね、人の心に接し、曲がりながらも、
その深いところを思い知りえそうな淵に立つと、
なんと心うつ言葉なのでしょうか。

この正月、久々に帰省し、食卓に並べられた食べきれない
老母手ずからの料理をただ黙々と食べ、
もてなしの何たるか、人を思う心の何たるかを実感し、
改めて思い出した一文でありました。

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コメント

京都には三日とろろの風習は無いのですが、
粘りのあるとろろ芋を、出汁でのばして
熱いごはんにかけて、ずるずる言わせていただくのが
最高~
口の周りが痒くなっても、もう一杯食べたくなります。

投稿: はなまるちゃん | 2009年1月10日 (土) 17時45分

「三日とろろ」は、円谷さんの出身地である
福島地方で盛ん(だった?)風習のようです。
それ故に、ご両親が振舞った三日とろろなのでしょうね。

とろろ汁は、我が家でも人気があります。
芋の摩り下ろしから味付けまで、全てを私担っています。
やり様によっては力仕事ですから、男の料理かも知れません。
なんて甘やかしてはダメなのですが。

投稿: kattu | 2009年1月10日 (土) 21時21分

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