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2008年1月17日 (木)

なごり雪

16日夜、東京に初雪が降った。
欠片が舞ったという表現が相応しく、
雪の結晶は瞬時に消えた。

なごり雪は、季節はずれに降る雪。
イルカが唄ったなごり雪は、季節はずれの雪に
淡くとけた恋愛を重ねた曲。
これから書くなごり雪は、遠い昔に降った雪。

生まれ育った北国は11月に初雪が降る。
大人達は直ぐそこに迫った冬を想い憂鬱な表情を見せ、
子供達は湧き立つ想いを抑え切れずにいた。

夏の遊びは楽しかった。
それでも、冬に雪まみれで遊ぶ魅力が勝る。

スキーやスケートなど道具を使う遊びに比べ、
新雪の、まだ誰も踏み入れていない雪原に足を踏み入れ、
身を投げ出す快感は文句なしに上等だった。

両足をバタつかせ、両手で掻く。
あるいはゴロゴロ転げ回るだけ。
サラサラな粉雪では、ぶつけ合う雪ダマを作れず、
両手で掬ってかけあう。

雪まみれ
冷たいのに、ワァワァ遊ぶと汗をかき喉が渇く。
新雪を口に頬張ると、どこか甘い錯覚が走る。

降った翌日は吹雪
筋金が入った雪の子、風の子でも刃がたたない。
陽射しが戻ると、雪の造形物創り。
車だったり、船だったり。
人目につかない場所には秘密基地。

そんな遊びも、いつしか忘れ去られる。
気が付くと、雪は厄介者。
空を見上げる顔に憂鬱な翳。
もう子供じゃない?

何年か経って、高校の入学式。
未明から降り始めた雪。
北国でも、4月に積る雪はめずらしい。

初めて入った教室で、窓から眺める雪に覆われた世界。
3年間一緒に学ぶ仲間に、初対面の緊張が窺える。

帰り、僅かな距離を校舎前のバス停まで歩く。
まだ言葉を交わしていないクラスメートと目が合う。
どこか笑みがこぼれる。
君も、どこかで懐かしんでいるのか・・・・・

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