« 一杯いかが | トップページ | 朝から お疲れ »

2006年10月 1日 (日)

遠い記憶から

北国といえども6月に入るとポカポカ陽気が続き、開け放たれた  教室の窓から心地よい春風が入り込む。                高校入学直後の緊張が緩み、授業に身が入らない私は、窓からの眺めを愉しむのが日課となっていた。                  そんな午後、遠くにジェットエンジンの音がし、その金属的な音が 近づくに連れ、微かにプロペラが廻る音が重なり、ほどなく近くの  空港に着陸しようとする飛行機が低空を横切っていく。       昨日、定期航空路で最後の就航を終えたYS-11の記憶は、    数十年前のあの教室の窓から始まった。

私がYS-11に乗ったのは高校を卒業した数年後、社会人として  初めて帰省する際に空路を利用した折りのこと。           まだジャンボジェットは就航していなかったが、それでも当時の   旅客機と比べると座席数64の機体は頼り無く見えた。       事実、飛行中に気流が荒れると機体がギシギシ音を立てて揺れ、飛行機初体験の私は肝を冷やした。

しかし搭乗を重ねて飛行に慣れると、エンジンの推進力でカッ飛ぶジェット機と比べ、ターボプロップ機は滑空している様が体験でき、かえって安心感が得られた。                      小型機に分類されるだろう機体には搭乗口にタラップが組み込まれていて、地上に駐機中は機体整備員などが身近に見られた。   スチュワーデス(当時は、まだこう呼んでいた)も国際線に搭乗している「高嶺の花」ではなく、まさに「隣りのお姉さん」のような親近感がある美人揃いだった。

「国産最初の旅客機」が、いつしか「国産唯一の旅客機」となってしまった名機。国産の誇りと共に、ノスタルジックな機体のYS-11は いま伝説になる。

|

« 一杯いかが | トップページ | 朝から お疲れ »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/153377/3652126

この記事へのトラックバック一覧です: 遠い記憶から:

« 一杯いかが | トップページ | 朝から お疲れ »